古代の美術品
浮彫りした象牙の小板も発見されていますが、それらは木の小箱に張りっけたものや象牙の小箱の部分です。
人物や動物また文様が余白のないほどに刻まれていて、鏡の柄と同じ感覚の表現です。
象牙は高価な輸入品ですから、ミケネの衰退とともに消えていきました。
象牙やストゥッコや石の彫刻が美術品として作られたのにたいして、土偶はクレタの影響の少ない領域でした。
クレタでは写実的な女神や礼拝者の伝統が宮殿の没落後は抽象化していました。
ミケネでは一層素朴でまた一層形式化の強い一定の様式に限られました。
少なくとも前14世紀から前13世紀にかけて本土ばかりか、シシリア、南イタリァから東のシリアにかけて、いわばミケネ世界の全域にわたって全く同一型の土偶が墓や礼拝所跡や住居赴から発見されます。
それらの間には地域差もまた時代差もほとんどありません。
このような土偶はミケネ世界の文化的統一が成りたっていたことの証拠の一つともなるでしょう。
まるで飴細工かしん粉細工のようです。
顔はただ鼻をつまんだだけで、その両側に大きな眼を描いています。