古代の美術品 4
クレタの陶器にしても、これまでの陶器とは形も装飾もその方向に大きく転向しました。
地肌に滑らかな上塗りをしてそれに光沢のない暗色で簡単な幾何学文様を描いていたこれまでの陶器は、光沢のある一種の紬薬をつかってクレタ風の動物や植物文を装飾にするものになります。
形もこれまでのずんぐりした単純な形に代って脚の低い杯、アンフォラ型、コップ型、アラバストロン、鳴壷、角状杯のようにクレタ系が主流になります。
最初の段階の陶器はミケネの竪穴墓の出土品であって、クレタの忠実な模倣です。
その作品よりは劣るけれども、キヅタ、パピルス、ヤシ、またタコ、イカ、タコ舟が描かれています。
しかし次第にこれらの動植物は形式化し簡略化され、連渦文はみられなくなります。
他の領域にくらべて陶器は模倣にたいする熱意がつづかないのです。
この頃、前15世紀というと宮殿式陶器の時期にあたります。
この宮殿式はクレタ陶器の変種ですが、その変種の方向はミケネ式への接近です。
当時のクノッソスの主はミケネ人であったから当然でもありますが・・・。