農業の役割 2
いわば地域政策のかなめとしての農業であり、最近のはやりの言葉でいえばデカップリングということになります。
現にスイスなどでは、こうした視点から一定の高度以上の山岳酪農に対して牛1頭当りいくらという形での特別の補助金を支出していますが、日本でもそうした発想が今後次第に必要となってくるでしょう。
それは産業政策というよりも、むしろ地域政策の一環としての農業政策です。
第四に、農業の文化的・社会的価値という点があります。
農業が存在することが、一方では伝統的な日本文化を維持する役割を果すとともに、他方ではいわゆる第三次産業として都会人に安らぎ、息ぬきの場を与えているという側面です。
後者の例としては、体験農業、産直、観光農園、地方との交流などさまざまな形をとった自然とのふれあい運動が盛んになってきていることをあげることができます。
いかに社会が合理化され、効率化されたとしても、人間は自然とのふれあいなしには生きてゆけないということに、日本人はいまようやく気づき始めたのです。