農業の役割 3
前回までにみてきたことは、「人間は農業なしでも生きてゆけるのか」という、国民大衆のもつ素朴な疑問を論理的に整理してみたものにすぎません。
農業の非経済的価値とは、まさにそうした国民の実感に根ざしたものなのです。
現在、日本の国民総生産に占める農業生産の比率は2%台にまで低下してきていますが、以上を考慮すれば、そうした表面的な数字で測られる以上に農業の意味は大きいといわねばなりません。
それはある意味では、狭義の経済学を超える次元の問題です。
経済学がもっぱら表面的な効率次元で組み立てられているのに対して、これはいわば人間次元の問題だからです。
・・・しかし、そうした次元の問題をもふくめて、いま改めて国民経済のなかでの農業の意味を問い直さなければならない状況にわたしたちは直面しているのです。
これに関連して、次の点を補足しておきましょう。
国際化の極度の進行を契機に、日本農業はこれまでの資本主義が経験したことのない、まったく新しい問題に直面することとなったといっていいでしょう。